さて、ワタクシには子供が二人いる。
その二人のうちの一人、次男の病気は夫と比べても、まして私と比べても厄介だ。

次男の病気は
この病気の厄介なところは、まずは生活に甚大な影響を与えてしまうというところ。
被害妄想、幻覚幻聴があったりすると、性格も変わっちゃう。
うちの子で言うと、ワタクシは舌打ちなんかしてないのに、彼にはその舌打ち音が聞こえていて、「今、舌打ちしたやろ」と言われたことがある。
そんな風に、周りの人間が自分に敵愾心(てきがいしん)を抱いている、と思い込んでしまうと、それなりに性格も変わってしまうということだ。
また、認知機能も落ちる。
落ちることも問題だけど、それが影響して、こんなことが起きたりする。これまたうちの次男の実例だ。
予備校時代の友人に野球に誘われて行った。私も夫も友人関係のめっきり減った彼が友人に会えるのはうれしいことだから、喜んで送りだした。
で、後日、野球に行ってどうだった?楽しかった?みたいに聞いたのだが。
「もう二度と誘われないと思う」というのがその返答であった。
そうなのである。
話をしてもとんちんかんちん。
質問に対しなんか歪んだ返答をする。
例えば「次、あんたの番やで」みたいなことを言われて、
「アメリカの主張でルール変わってきたよな」みたいなあさっての会話をする。
そういう「違和感」が相まって、彼は友人を失ってしまうのである。
人はなあ。「愉快に付き合える友達」は会いたいけど、「会話があさってで会話の成り立たない相手」と会いたいとは思わない。これはしかたのないことだ。
仕事のない休みの日に気を遣いながら過ごすなんてそんな余裕はないし。
そう。
何するにも次男は「誰かのケア」がないと成り立たない。
まあ、そういうことなのだ。
会話が成り立たないと過去の友人関係も失ってしまうのだ。
厄介なのは病気の原因がまだはっきりとはわかっていないこと。
ドーパミンの分泌以上と関わりがあると言われているものの、まだはっきりとはしていない。
逆に言えば、今はそれだけでもわかっているから良い薬が開発され、病院に入院したきりにならずに一緒に暮らしていけるということも言える。
原因が特定されれば、さらに良い薬の開発につながり、更に症状が軽くなる可能性はある。
よって原因の特定は非常に大切なのだ。
「ケアがいる」なので、次男は障碍者手帳を持っている。
障害の程度は最も軽い「3級」だ。
まあ、一緒に野球もやりにくいくらいだから、仕事なんかとんでもない。
あと、ストレスにも弱い。
ちょっと人と会話が続いたりすると、その後、こと切れたように寝てしまったり、あるいは理由もなく(?)怒りがわいてくるようで親に当たり散らしたりする。

まあもしかしたら何かの声が勝手に聞こえているのかのしれないが。
とはいえ、服薬する薬はものすごく重要で、合っている薬をちゃんと服用するとかなり症状は抑えられる。
今、彼の薬はかなり適合度が高いと思うんだけど、そうすると最近は幻聴もないようだし、生活も順調に回っている(ように見える)。
昨年、服薬から注射に変えようとしたが、注射の薬は次男には合わなかったみたいで、そうすると症状が悪化して入院し、廃人のようになってしまった。
その後、また薬が服薬のモノになって、今はましな、良好な状態になっている。
幻覚幻聴もないみたいである。
しかし「音に敏感」はあるかもしれず、テレビ音などはどうやら苦手……というか、苦手な時があるようだ。
そのへんはなー。
どーにもはっきりしないところがある。
好きな音楽ならイヤホンで聞いているし。
あと、この病気になったばかりのころは、コンビニで何かを買うにも「選択」ということができなかったりした。
症状が良くないときは食べ物の〇〇産、というのが気になって、あれが食べられない、これが食べられない、とか、繊維は天然のものでないと納得しないとか、「自分はこれしか着たらいけないと強制されているのに、どうして着させないんだ」とか、まあいろいろあった。
「統合失調症患者の家族教室」に行ったりしてほかの患者さんの様子を聞くと、これらの症状も千差万別で、一人一人かなり違う。
病気の原因がはっきりし、特効薬みたいなものが開発されればと願うばかり。
でも、今の医療水準に大変感謝している。
100年前なら、彼は病院に入ったまま出てこられなかった可能性が高い。
でなければ、街に出て、そのあたりで奇声を発し、路上をさまよっていた可能性も高い。
それくらい今の薬は効果がある。
病気の発症は10~20代が非常に多いそうである。
病気の進行は70代で止まるらしい(老化によってドーパミンの分泌が減るから?)。
ともあれ家族としては穏やかに、落ち着ける環境を作ってやること、薬の服用を継続するよう気をつけてやることなどができることの全てかなという感じだ。
仔羊おばさん