病気でHappy

ど貧乳で糖尿病でも楽しい生活送ってます!

価値観 この夏の思い出

初夏のころ、上海から夫の姉、そのご主人、二人の娘夫婦、その子供すなわち義姉たちの孫、が日本に遊びに来た。

義姉夫婦はそろそろ60歳前後。二人とももう定年退職して、悠々自適。義姉は孫の世話と義姉の父、すなわち私の夫のお父さんの世話、介護などを中心に生活している。

きっと、元気なうちに一度家族で日本に来ておきたかったのだと思う。

私も、行きたいところがあったら、体が自由に動くうちに行っとかなくっちゃ…

と思うようになっているので、その気持ちはわかる。

 

印象深いことがあった。

 

帰国も近いある日、義兄が「御座候(ござそうろう)」の大判焼き(今川焼回転焼き)を買って帰ってきた。デパ地下でおじさんおばさんたちと一緒に、列に並んで買ってきたのだという。「いいとこ見つけた。知ってるか?みんなが並んで買ってるのを」と、教えてくれたけど、もちろん私は地元民だし、one of ばばの私が知らないはずはないので、苦笑した。実際、並んだこともあったし。

そういえば義兄も義姉も大して買い物に出かけない。ずっと孫の世話をしている。娘夫婦はどこかに遊びに行っている。最近の観光客がよくやるように、来日前にネットで情報を仕入れて、自分の欲しいものを買い、行きたいところに行く。

娘さんは特に遊び好きな人というわけではない。いわば、平均的な観光客なのだと思う。少なくとも、私にはそう映った。

義姉がため息をついて、言った。「価値観が違う…」

娘夫婦と価値観が違う、と言う。「娘たちはあれを買う、これを買う。金を使ってひたすら消費する」

私は、はっとした。そういえば義姉は、前に日本に来た時も、自分のためにはほとんど何も買わなかったし、今回もずっと孫に3食食べさせ、孫を風呂に入れ、寝かしつける。孫中心の生活だ。

義兄が私に回転焼きの詰まった箱を差し出して言った。

「ほら、まだ温かい」

私は、その「御座候」の箱の温かさを掌(てのひら)に感じながら、なぜだか子供の頃に母と買い物に出かけて、そこで買ってもらったコロッケの温かさを思い出していた。

義兄や義姉は、ずっと「貧しい中国」の時代に育って、倹約して熱心に働いて、今を迎えている。

中国人だって爆買いする人ばっかりではない。

そういう消費生活に、気分的に乗り切れない世代の人もいる。

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仔羊おばさん